【裏昭和史探索】スケベに対する人間の執念はすさまじい

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アナログででデタラメでインチキだけど、人間味あふれるホンモノ。それが昭和。

 
「え、このタイトルと写真、何ごと?」

とか思いつつ、いつもシッカリ読んでいただける心やさしきスナックナビユーザーの皆様、毎度ありがとうございます。

お察しの通り、今回は、いつものお店紹介ではありません。

めちゃくちゃ面白かった書籍の話です。

裏昭和史探索/小泉信一(朝日新聞出版)

少し前置きします。
実は、この本の著者とスナックナビはご縁があります。

と言うのは、2018年3月。
朝日新聞に「スナックをたどって」というコラムが連載され、スナックナビも取材を受けたことがありました。その取材をし、この連載記事を執筆された方が今回の本の著者、朝日新聞編集委員(大衆文化担当)の小泉信一さんその人です。

取材時、小泉さんの全国スナック遍歴に舌を巻いたのみならず、色歌酒のほか大衆文化なら何でもござれと、小泉さんの体験談は驚きと笑いの連続でした。すこぶる面白い人なんです。

そんな人の書いた裏昭和史。
そりゃ必読でしょ!

昭和は大衆風俗からも見なきゃいけません

昭和、ウィキペディアによると世界史上もっとも長く続いた元号らしく。1926年から実に63年間という平成の倍あった時代です。

この時代、特に戦後から目覚ましい発展を遂げたのは経済ばかりではなく、大衆風俗も力強かったことがこの本に記されています。

そうこれは、性や特殊風俗の業界・人々といった正史では取り上げられない視点から昭和を見ています。真面目に。わかりやすく。

たとえば、ある風俗ができたときはこんな社会情勢で、大衆の心理や価値観はこうだった、その時この業界はこの人はとか―

時代の背景や個人の事情まで踏み込んだ解説・分析もありつつ、業界人や伝説的な関係者からの回想も録取し、何より著者のリアル体験も織り交ぜた語りの臨場感がハンパじゃありません。

むしろ思います。
昭和を知ろうとするなら、思い出そうとするなら、この大衆風俗を外しては片手落ちだと。

※官能的な業種・行為・人物についても存分に掘り下げている本書ですが、卑猥とか下劣な表現はなく、かえってこの時代を謳歌した父母あるいは祖父母と一緒に字引きしながら楽しめる書物です。

昭和の風俗は過激?

本書では、「夜の街をたどって」というメイン章に30項目の大衆風俗が語られています。

一部、タイトル/サブタイトルを抜粋したいと思います。本ブログ記事を書いた私ことスナックナビ五十嵐43歳(昭和の夜あそびは未体験)の短観も少々添えます。

・額縁ショー
「本物だよ」ストリップの誕生
―昭和風俗の多様化の産声は戦後、つまりS20年後半から始まるらしい。

・トルコ
「蒸し風呂」から「石けんの国」へ
―私が最も食い入って読んだ項目。後の名称ソープランドが一般募集されたもので、名称決定は赤プリで記者会見、トルコ共和国大使館の参事官が同席して喜びのコメントを発し、新聞各紙で好意的な扱い。マジかっ!

・愛人バンク
「美味しい生活」の末路
―援助交際というのは平成ワードと思いきや、’80年代ですでにあったとは…。愛人バンク経営者の女性は朝昼夜とわずTV出演してたとか。それ、ありなの?

・薔薇族
著名人も愛したゲイ雑誌
―創刊者はノンケだった?何にせよ革命的な雑誌。

・キャバレー太郎
福田赳夫も遠藤周作も
―キャバレーハリウッドの名は知ってるけど。銀座店の延べ床面積は1千坪だった?3000㎡以上てこと?…恐るべし…

・ストリッパー
反権力の象徴
―私のストリップ初観戦は1998年。すでに平成の世。生板ショーは未経験。

・ビニール本
スケスケとモヤモヤの彼方に
―とりあえずサブタイが秀逸(笑)。「雑誌を覆うビニールをはがすときのドキドキ感は今も忘れられない。」との著者談が、時代の違う私にも共感ひとしお。きっと世代を超えたドキドキがある。それがエロ本。

・アルサロ
「明日では遅すぎる」
―S25年、すでにキャバクラの前身たるアルバイトサロンなるものがあったとは。キャバとは違うんだよね?

・グルメ風俗
奇想天外な事業構想
―つまり、ノーパン喫茶とか。ノーパンというダイナミクスとお触り禁止のモラリズムを共存させた画期的なサービス業。天才ですね。

ちなみに、この”グルメ風俗”は本書のメイン章「夜の街をたどって」の最終項目。著者の小泉さんはこう締めくくる。

「平成ももう終わる。ノーパン喫茶やノーパンしゃぶしゃぶに匹敵するような、あっと驚く性風俗がこの先も登場するのだろうか。」と。

(私には、驚かせてくれという小泉さんの心の声が聞こえる気がしました。)

※書籍からの引用・抜粋
今回のブログ記事には、小泉さんの寛大な許諾がいただけると信じ、勝手な引用・抜粋がそこかしこにございます。読者様には、無断転用なきようくれぐれもお願いいたします。

昭和風俗を通して思うこと

昭和風俗のネーミングセンス、すごいですね。

のぞき部屋、ソープランド、キャバクラ、大人のおもちゃ、ノーパン喫茶、etc

その陰に死滅したものもあまたあれど、もはや教えてもらわなくてもイメージできる風俗用語がこの時代に数々生まれています。

昔はよかったという話ではありません。

これも本書通して語られていることですが、新しいアイデアって規制に対する涙ぐましい努力や知恵が切りひらいた新境地だったりします。よく言うピンチはチャンスってやつです。(まあ、あとから言うのは簡単ですが。)

何ゆえ新境地に至ったか、そのエッセンスを歴史に学ぶというのにこれほど打ってつけのものは無いんじゃないかと。

(個人的には、2020年のたばこ規制を回避できるナイトな場を期待しています。)

風俗史とも、ビジネス書とも、本書の性格はあなた次第。

マジ、読んでみて。

昭和に夜あそびを覚えた世代のあなたはもちろん、その世代をお父さんやお爺ちゃんに持つ若いあなたにもオススメしたい。

ぜひ、昭和語りしてみてください!

※本書のメイン章「夜の街をたどって」の後には、小泉さんたっての希望で実現した伝説の雑誌「写真時代」などの編集長を務めた末井昭さんとの対談録。次いでUMA・UFOなど未確認なロマンへの探索と続きます。

裏昭和史探索/小泉信一(朝日新聞出版)

裏昭和史探索/小泉信一
日本で唯一、「大衆文化担当編集委員」の肩書を持つ小泉真一・朝日新聞記者が昭和を”裏”から覗いた大衆史。週刊朝日の人気連載に加筆し、「未確認生物」「UFO」の章も追加!
(本の帯ドメより引用)
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